中山康樹さんを悼む

中山康樹さんを悼む
作日、ジャズ評論家の中山康樹さんが亡くなったとの追悼記事を新聞で見て、胸が痛んだ。

中山さんとは、2002年に四谷の「いーぐる」で一度お会いしたことがあった。「マイルスを聴け!Version5」を刊行された直後であった。
まさか62歳という若さで亡くなるとは思いもよらなかった。まだまだこれから活躍されるだろうと期待していたのに、残念でならない。

中山さんの音楽に対する造詣は私など足元にも及ばないが、同じMILES DAVISを愛する者として、書かれた著書を愛読させていただいていた。
中山さんの著書では、それまでの常識や先入観にとらわれることなく率直にご意見を述べていて、「そうだ、そうだ。」と共感しながら、マイルス本だけに限らず、ビートルズやジャズ入門書まで読ませていただいた。

書かれた内容のなかでも特に感銘を覚えているのは、マイルス・デイヴィスの「BIRTH OF THE COOL」の解説の、次の件(くだり)である。
「(クールの誕生は)ジャズ関係の入門書・名盤選をみると必ずといっていいほど入っている。 (中略) しかし選ぶ人たちは、本当にこれがいいと思っているのだろうか。ちゃんと感動したりしているのだろうか。(中略)
ぼくには、みんなが認めている、ということは感動を覚えている(本当?)はずの本作や「クールの誕生」に準じる当時のマイルスの音楽がピンとこない。マイルスの音楽は、時代を問わず、他の誰よりも感情に訴え、語りかけてくる。しかしだがにもかかわらず、どうしたわけか本作からは、なにも伝わってこない。グッド・ヴァイブレーションが感じられない。(以下、略)」

この批評文からもわかるとおり、軽妙な表現を用いてはいるが、こんなに正直にご自分の持論を展開されるのはさぞ勇気が要ったことだと思う。

改めて、このジャズ批評のジャイアンツに哀悼の気持ちを表したいと思います。



Posted by カフェおやじ. at 2015年02月08日16:10

この記事のコメント

はじめまして
1月17日(金)にお伺いしましたが、臨時休業の日でしたか?
何十年か前に市内のジャズ喫茶「峰」で聴いたSP-LE8Tを聴くのを楽しみに伺いました。また、出直しますよ。
Posted by らんまるベル at 2020年01月23日 09:51
らんまるベル様
1月に来ていただいたとのこと、大変失礼しました。
「峰」のお店で聴いたSP-LE8Tが想い出にあるのですね。その昔、「峰」にLE8Tを勧めたのも私です。
サラリーマンを卒業してジャズ・バーを開くにあたって、いろいろと迷いましたが、やはりスピーカーはLE8Tに落ち着きました。エッジなどを交換して聴いていますが、以前と変わりなく鳴ってくれています。
よろしかったら、お出でになるときにお電話ください。お待ちしております。 (090-7696-1417)
Posted by カフェおやじ at 2020年04月08日 11:34

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