暑いときに聴きたいジャズ

毎日暑い日が続きます。
しばらくブログへの記事投稿もサボっておりました。
体の具合が悪いわけでも、遠くへ旅行にでかけていたわけでもありません。
ただ単に「暑い!」から横着になっていただけです。(正直でしょ。)

「暑いときには熱いものが良い」と先人は仰います。
これはジャズにも言えることで「コルトレーンのヴィレッジ・ヴァンガード・セッション」を通しで聴いてみるか。」とも思うのですが、それにしても今年は暑過ぎです。
クーラーの利いた部屋で、冷たいビールを飲みながら涼しくなる音楽を聴きたくなります。

楽器で言えば、なんとなくビブラフォンが涼しそうな気がしませんか。(根拠はありませんが)
そこでオススメしたいのが、Bobby Hutchersonです。

ビブラフォンと言えば、大御所のLionel Hamptonを別として、そこそこジャズをお好きな方ならMJQのMilt Jackson、そしてGary Burtonのアルバムはたいていお持ちと思います。
しかし、B.Hutchersonはどうでしょうか。

そこで、B.Hutchersonを聴いていただくために、まずこの人の代表作の「HAPPENINNGS」をぜひお勧めしたいと思います。
このアルバムの楽器編成は、MJQと同じくビブラフォン+ピアノ・トリオですが、演奏内容はMJQと全く違います。
このアルバムにはHerbie Hancockが参加しており、彼のヒット曲「処女航海」を演奏しています。
H.Hancockがリーダーとして録音した「処女航海」ではFreddie HubbardのトランペットとGeorge Colemanのサックスが参加しており、いかにも「いざ出帆!」という意気込みが感じられる演奏ですが、これに比べて吹奏楽器が参加していないB.Hutchersonの演奏では、見守る人もなく、静かに航海へ出て行く、そんな静かなイメージです。
この2つの「処女航海」を聞き比べ、また楽器編成が同じMJQとの演奏の違いを聞き比べてみるのも楽しいですよ。(少し涼しくなるかも、です。)

  


Posted by カフェおやじ. at 2010年09月02日19:31

B級ジャズ

そろそろ売り尽くしを考えているのか、ブルーノート・ジャズの名盤が1100円で再発売されました。
CDも売れなくなった昨今のことですので、この機会を逃すといつ手に入るかわかりません。
そう考えて何枚かまとめて購入しました。

しかし、「持っていて当たり前」盤はたいてい持っていますので、今回購入したCDは「持っていてもいいか」くらいの気持ちで揃えてみました。言い換えれば「B級」ということになるかもしれません。

この「B級」は、芸術性や歴史的価値から「絶対に聞いておかなければならない」アルバムということではないのですが、共通しているのはどのアルバムを聞いても、とても楽しくて気持ちが良いということです。
「B級」とは、ひょっとすると「わかりやすい」ことで「B級」のレッテルを貼られてしまっているのかもしれません。


前から気になっていたHorace Parlanのアルバムも3枚ほど手に入れて聞いています。H.Parlanは独特のノリを持っていて、CDを聞く限り小児麻痺で右手がほとんど動かないということが信じられないくらいです。
このピアニストの代表作はUS THREEというアルバムですが、今回購入したMOVIN' AND GROOVIN'も、ブルーノート・ジャズらしいスィング感が快適です。




  


Posted by カフェおやじ. at 2010年08月12日18:20

デクスター・ゴードンを聴く。

今日は雨の月曜日、こんな日は「雨の日と月曜日はいつも気が塞がってしまう」と歌うカーペンターズの「雨の日と月曜日はいつも」を思い出してしまいます。

一昨日、開店したばかりの時間に、初めてのお客さんが入って来られました。他にお客さんもいないので「何か聞きたいレコードは?」と聞いたところ、意外にも「ブルーノートの4000番を何か」というお答え。こんなリクエストのやり方をする人も珍しく、只者ではないナと思いました。
最初はH.シルバーの「BLOWIN' THE BLUES AWAY」をかけ、次に「D.ゴードンの「ONE FLIGHT UP」を聞いたことがありますか。」と伺ったところ、このアルバムは知らないということでしたのでかけて差し上げました。



実際、パリで録音されたこのアルバムは、当時あまり評判にもならず、知っている方も少ないと思います。A面を占めるD.バードのオリジナル曲の「TANYA」についても、単調なテーマが繰り返され、それまでのブルーノートとも少し違った雰囲気を持っています。しかも、ジャケットは、どこかの古めかしい建物をバックに、足を広げて嬉しそうに立っているD.ゴードンの写真。このジャケットにはどんな意味があるのかな?と思ってしまいます。 しかし、当時18歳のN.ペデルセンのバッキング、気持ちよさそうにサックスを吹くD.ゴードン、そして聞く者に訴えかけるようなK.ドリューのピアノは、何か不思議な気持ちにさせられ、この気分は決して居心地の悪いものではありません。

このお客さんも、このレコードにはとても満足されて、CDが出ていたら買いたいと言っていました。お客さんの気持ちに合わせてレコードを選び、そのレコードにお客さんが満足して幸せな気分になっていただけたら、私もいっしょに幸せな気分になってしまいます。face02  

Posted by カフェおやじ. at 2009年10月26日12:40